「ダメだ！ミッフィーかロンナにしろ！」
いつになくキッパリした相方の態度でアル。

それは、一人暮らしをしている長女のマイの言葉から始まった。
「シャイロを連れて行く！」

「シャイロはやめておけ、大変なことになるぞ。面倒を見きれないだろう？」

「いや！普通の犬じゃ面白くないもん！シャイロがいい！」


人間の世界には悪人と呼ばれる者がいるが
犬の世界にもどうしようもなく悪い犬がいる。

シャイロは一見愛らしいビーグルだが
自分の欲望の前では確信犯に変わる。

生存本能だけで生きている純粋なエイリアン。

寝小便はするし、寝言はうるさいし、チビのくせに脅威のジャンプ力でシンクの上にも上がり生ゴミを漁ることもできる悪犬なのだ。
「ねえ、手のかからない子にしなさいよ」
マイの苦労を思うと反対するしかないではないか・・・

マイは譲らず
叱られると必ずシャイロがそばに来て守ってくれた
泣くと慰め、お腹が痛い時は寄り添って治してくれた。
そしていつも笑わせてくれるのはシャイロ
他の子は代わりにはなれない　　だそうだ。

そして、相方もシャイロを息子のように可愛がっている。

しばらく攻防は続くであろう。
あ～やれやれ・・・である。

[0回]